カントクたちがAVを撮る理由

第6回 ヘンリー塚本(後編)
「ベロならボカシ不要のSEXが撮れる」

──近●相姦も、不倫カップルの密会も、それが非道徳ゆえにドラマが生まれるんですね。監督が撮られた、足に障害がある少女が母親の愛人に犯される、それでも女性としての悦びにめざめるという展開には、見ていておもわず唸ってしまいました。

「女性というのは、頭で拒否しても体が拒否できないことがある。嫌がっていてもピストンされると気持ちがいい。そこに女性の弱みも強みもある。ただ、われわれは声高にSEXだポルノだAVだとしゃべってはいけないと思うんです。SEXというものは陰でこそこそやるもの。AVもこそこそ見るものであるべきなんですよ」

──SEXは秘め事ですからね。

「うん。オープンにしてはいけない秘め事だから、奥深い快楽が得られるんですよ」

──監督の作品で、眠らせた女を抱く作品がありますが、どこからあんなアイデアが出てくるのでしょう?

「人と違うものを作ろう、今度はどういうものを作ろう、と常にマンネリにならないように考えていて、僕は昔から眠った女性を犯すということが題材としてすごく興奮できるものだと思っていたんです」

──それを、男側からではなく、普通の主婦側から描いたのが素晴らしい。お金のためのバイトとして、睡眠薬で眠ったまま宅配便として独身男性の部屋に届けられて抱かれる。でも、目がさめると本人にその間の記憶はないという設定。すごいファンタジーです。

「クスリが効いて眠る女性を抱く、それをどういう物語にすれば、見ている人を喜ばすことができるか? 僕はそこを常に考えていますね、ほんと常に常に」

──日々、作品のネタ探しはどういうところから?

「映画館にいく時間がないので、新作のDVDを見ます。洋画が多いですね。ちょっとしたシチュエーションが気に入ると、それを膨らませて作品に取り入れます。いい映画をいっぱい見ると、人を感動させることってどういうことなのかが自然と頭の中にインプットされるんですよね。あと、実際の事件からヒントを得たりね」

──FAプロ作品の魅力は適材適所というしかない配役ですが、AV女優とは週に何人くらい面接が会われるんですか?

「7~8人ですね」

──面接で重要視する部分を教えてください。

「まず、舌を見ますね。ベロを」

──やはり、接吻を重要視!

「接吻の上手な人はね、SEXの何たるかを知ってるんですよ」

──監督がおっしゃると説得力があります。

「世のなかに女性が10人いたら、接吻の上手な人は1人か2人なんですね」

──そんなに少ない?

「少ない。接吻の上手な男も少ない」

──多くのAVを見てもキスは前戯のひとつくらいのあつかいですからねぇ。

「前戯ではなく、SEXそのものなんですよ、接吻は。本当にキスをわかっている人は教えなくてもスッとベロが入っていくの、男の口に。それで入れたベロを抜かない。それは感性なんだよね」

──そこまで接吻にこだわるに至った理由をうかがいたいです。

「性器でのFUCKはボカシがいるけど、ベロの絡み合いはそのまま見せられるでしょ」

──まさしくそうだ!

「FUCKはベロで表現することができるんですよ。女のベロがチ●ポで、男の口がマ●コなんです」

──今後、そう意識して鑑賞させていただきます!

「あと大事なのは唾。したたる唾です」

──愛液そのものなんですね。

「そうです」

──女優の面接で、舌の次に重要なポイントは?

「太腿を見せてもらいます。白い太腿がなんともいえないくらい好きだから」

──パンストではない生の脚?

「パンストには全然興味ないね」

──舌、脚に続いては?

「思い出に残っている性体験を聞きますね。たとえば初体験の相手が40歳くらい年上だと聞くと、即採用します」

──可愛い顔しているのに中年男を許容したという事実?

「そうです。相手が1コ上の先輩とか同級生だと当たり前すぎて、それ以上の興味が湧かないんですよ」

──撮影するにあたって、シナリオが先にあって気に入った女優を当てはめるのか、撮りたい女優に合わせてストーリーを作るのか、どちらなんですか?

「女優ありきです。面接して気に入ると、近●相姦が合うか、不倫が合うかレ●プが合うか? と考える。台本を書くにあたってスランプに陥ったことがないんですよ。なにしろ気に入った女の子を好きに撮れるわけだから。湯水のようにアイデアが出てくるというのが現状です」

──昔のFAプロの作品は名もないマイナーな女優ばかりを起用してきましたが、近年は他社でも人気の企画単体女優を起用するケースが増えましたよね。

「昔はマイナーであるという部分を大事にしていたんですよね」

──そこにFA作品ならではの独自性がありましたよね。

「でも、何本も出てる女優さんでも、違う一面を描きたいと思うようになりましたね」

──そうなんですよ。他社でギャル役をやっているキャピキャピした女の子が、貧しい農家の娘でモンペを穿いて犯される姿のなんと新鮮なことか。これぞFAプロの作品の魅力といっていいくらいです。

「絶世の美女が、貧乏で化粧っ気もなく髪もボサボサでという姿にとてつもないエロスを感じるんです」

──ですよね! 言い方が悪いですが、まさに昭和の貧困の時代はそういう女性の宝庫だったわけですからね。

「そういうことです」

──では、今月スカパー!アダルトで放送されるFA作品を監督の口からいくつか語ってもらえるでしょうか。

「『白昼の団地妻』の結城みさは、悲しい女をやらせたら最高です。みすぼらしい着物を着せて、生活保護を受けてて、やむなく男に抱かれるという」

──シビれますね! 結城さんクラスの美女ならではの醍醐味。

「『不倫ポルノ』の澤村レイコは長身なだけあってカラミも迫力あるし、僕の望む接吻をしてくれる欠かせない女優さんです。『未亡人ポルノ』の大沢萌はFAにしか出ない女優さんで、しっかり演出しないと動いてくれない使いづらい人なの(笑)。なので、僕しか使いこなせないだろう、と優越感に浸っています」

──FAのヘンリー塚本作品といえばラストに登場人物全員が登場するダンスシーンです。映画『トーク・トゥ・ハー』からヒントを得られたと聞きました。

「目を背けたくなるような結末の作品であっても、最後に出演者が笑ってダンスをすることによって、ファンの心に感動と余韻を残せるんじゃないかと思ったのがきっかけです。最初は『トーク・トゥ・ハー』そっくりそのままのラストダンスをやったんだけど、自分の世界にしなきゃいけないと試行錯誤の末、進化して今のスタイルになったんです」

──ヘンリー塚本って、幸せな男だと思いますか?

「そうだね。自分でメーカーを経営しているから撮りたいものだけ撮れる。やりたい世界だけ自由にやれているからね」

──今後も進化の2文字は変わらずですか?

「進化することに意味があります。どんな題材でもマンネリ化したくない。死ぬまでAVで非道徳や犯●の世界を描いていきたいね」

──かけがえのない大人のファンタジーをこれからも楽しませていただきます。ありがとうございました!

Profile

ヘンリー塚本(へんりーつかもと)
1943年東京都亀戸生まれ。東京大空襲で父と2人の兄を亡くした戦中派にして、いまだ第一線で活躍を続けるAV監督。1985年に自身がオーナーとしてAVメーカー「FAプロ」を設立。同社が制作したタイトルは2000を超えた。

Profile

文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan

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