カントクたちがAVを撮る理由

第10回 坂本優二(後編)
「お掃除フェラを頼まれた」

──「2ちゃんねる」のAV関係のスレッドでどういう発見がありました?

「たとえば女の子への『目隠し』。最近あまりやらないでしょう?」

──そういえば凌辱物や調教物くらいでしか見かけませんね。昔は普通に前戯のときにやっていましたよね。

「『女の子の顔が見えない』と不評だったので、僕自身、目隠しをやらなくなったんですよ。そうしたらそのうち、目隠しはほとんど見かけなくなりましたね」

──なるほど。僕もずっと前から、女の子の顔が見えないから目隠し不要派でしたよ。あとは?

「バイブも実はあまり人気がないんだよね」

──あ、そうなんですか?

「凌辱物だったら当たり前に使っていいけど、単体の女の子と男優が普通にカラミをする場合、前戯でバイブを使うと、一体感がないからイヤだと視聴者はいうんです」。

── 一体感とは、男優とシンクロして気持ちよくなりたいということ?

「そうなんですよ」

──なるほど。なるべくラブラブなムードで可愛いコとSEXをしたい、となるとバイブなんかで攻めてるんじゃねーよってなりますね(笑)。

「この一体感をすごくファンは求めているんですよ。だから、発射の際にザーメンの量が少ない男優は嫌われますね」

──わかる(笑)!

「ユーザーは、男優とシンクロしながらカラミを見ているから、量が少ないと、なーんだ気持ちよくないのか? って冷めちゃう」

──安心して見ていられるテクニシャンの男優なのに、たまに精液の量が少ないと、見ているこっちは「あれ?」と、なんだかしょんぼりしちゃう。

「売れっ子の男優は一日に2つの現場をかけもちするから、2現場目に当たったらそうなることがあるよね。あと、発射したあとの『お掃除フェラ』があるでしょ。これが完全に定着しているのは、2ちゃんねるがあったからなんですよ」

──へえ。知らなかった!

「『旋風寺』というAV関係のスレッドでは有名な固定ハンドルネームの人がいて、その人が『なんでお掃除フェラをやらないの?』と、もう1年くらい2ちゃんに書き込んでいたの。僕がS1で撮っていたとき、ホームページに監督別にユーザーがリクエストや感想を書ける場所があって、僕は旋風寺さんから『お掃除フェラをやってくれ』と直接頼まれたんです」

──掃除の依頼が来たと(笑)。

「でも最初『普通はあんなことしますかねぇ?』って返したら『いや、やりますよ、普通のことですよ!』と。それで僕がお掃除フェラを始めたら、彼はそのあともずっと2ちゃんにお掃除フェラのよさを書き続けて、そのうちついに業界にお掃除フェラが定着していくんです」

──初耳でした。監督ご自身、具体的に好きなプレイやアングルはあるんですか?

「結局は、多くの普通の人と同じでハメシロを見ると興奮しますね。清純派の女の子がズボズボとピストンされて感じちゃっている。でも、そのとき女の子の顔も一緒に映っていないとダメ」

──局部だけのアップじゃ意味がない?

「うん。カメラマンにも注文する。『引いた画でハメシロが見えたら局部に寄るな、我慢しろ』と。3~4分続いてもオッケー。違うアングルは要らないって」

──監督の口から聞くと、恥じらいながらヨがっている顔とハメシロが同時に映っているショットこそ最強だなと納得させられます。あと、最近はデビュー作から3Pをやる女の子も当たり前になりつつあるけど、やるかやらないかは何によって決まるんですか?

「プロデューサーの判断ですね。3作目まで温存しておこうと考えるか、純情そうに見えるから逆に意表をついていきなり3Pを盛り込もうかなど」

──「3Pは実生活ではまず経験できないからAVデビューを決めた」という女優さんもたまにいます。

「そういう人は、監督面接の場でアピールしてくるから、じゃあやろうってなります」

──でも、そういう女の子にインタビューすると、3Pは実際やると忙しいし、やっぱりマンツーマンのカラミのほうがいいっていうんですよね。

「視聴者も3P好きじゃない人が多いんです。まず、モザイクが多くなるでしょ」

──僕は、2本のサオを両手で握るWフェラも、男の亀頭と亀頭がくっつきそうでどうにもイヤなんですよ。

「僕もWフェラはやらない。アリスJAPANは何もいわないけど、メーカーというかプロデューサーによってWフェラが必須になることもあるんですよ」

──なるほどね。監督は女の子のデビュー作を担当されることも多いですが、責任重大だと思われますか?

「うん。初々しさのなかの恥じらいなど、デビュー作1回きりの要素は絶対に拾わないといけないって思っています」

──新人女優との監督面接の場で、初めての男優さんはどんな人がいいかと聞きますか?

「僕は聞かないんです。安心して任せられる男優を使います」

──名前を挙げていただけますか。

「黒田悠斗、小田切ジュン、あと阿川陽志ですね。デビュー作に3カラミがあると、理想はこの3人ですね」

──ベテランの大島丈をデビュー作の初カラミにあてがう監督も多いですよね。

「これは好みの問題ですね。大島君はドラマ物には欠かせません」

──ちょうど2000年を境にVHSテープからDVDにソフトが変わりましたけど、現場での変化はありました?

「S1で撮っていたとき、パッケージの裏側に6コーナーに分けて表示できるように撮れっていわれましたね。VHSの頃はそういうのはなかった」

──どこからでも好きなチャプターを選んで見られるのがDVDですからね。

「アタッカーズのようなドラマ物でも5つか6つのチャプター分けは必要になってくるからね。変化というとこれくらいかな」

──あと、単体物は景気と予算の関係で、昔は2日撮りだった作品が今はほとんどが1日撮りになりました。

「スタジオの外に出てイメージシーンをじっくり撮る時間がなくなったよね」

──かつての宇宙企画は美少女の冒頭のイメージシーンが、グッとくる「つかみ」でしたからね。

「逆光で長い髪がキラキラしたりね」

──古きよき美少女AVですねぇ。今後、監督が撮りたいと思っておられるものは特に何かありますか?

「ピンク映画を撮りたいと思うし、要はドラマ物をやりたいですね。AVはドラマに向いてないと長く思っていたんだけど、ただFUCKを見せるだけの映像って今はインターネットにあふれているでしょ? AVこそドラマ物が重宝されつつあるんですよ」

──アタッカーズやFAプロはもちろん、去年はオルガも発足したし、ドラマ物の波が来ていますね。

「ネットに氾濫している、簡単に見ておかずにできるものじゃなく、じっくり作品として見られるものを撮りたいですね」

──最後の質問です。AV監督をやっていて一番の喜びってどこにありますか?

「みんなでひとつのものを作っている楽しさです。女優からスタッフまで、みんな撮影現場が好きなわけですよ。時間との戦いで大変な思いも全員が共有するわけだから、一体感を感じる。それがいいですね。AVって究極の娯楽作品ですよ。まず、現場が楽しいこと。これを僕は重要視してやっています」

──ありがとうございます。今後もいろんなジャンルの作品を楽しませていただきますね!

Profile

坂本優二(さかもとゆうじ)
1984年の「ミス本●・裕美子19歳」を皮切りに、美少女単体女優の作品に携わり、AVにおいて美少女の撮り方を確立させたパイオニア。現在も、アリスJAPANの人気シリーズや新人のデビュー作で監督を担当するなど、その手腕への評価は極めて高い。

Profile

文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan

放送情報

今月の坂本優二監督作品はこちら


スカパーアダルト番組検索

Backnumber

ご契約はこちらから

ご契約はこちらから WEBなら24時間受け付け

テレビでみるなら

WEBでのご加入はこちら

スマホ・PC・タブレットでみるなら

スカパー!アダルトオンデマンド 詳しくはこちら

閉じる