アダルトレーベルの歴史研究

『脅●スイートルーム』(※伏せ字は編集部によるもの、以下同)シリーズや『制服美少女と性交』シリーズのヒットで、凌辱と女子●生に強いAVメーカーというイメージを確立しているドリームチケット。2001年12月、「人気女優を生々しく撮る」をコンセプトに第1陣の作品をリリースして以来、2020年までブレることなく駆け続けてきた。今月はプロデューサーのG-REMIX氏を訪ね、彼らの創作の歴史について聞いた。

第14回 ドリームチケット「手が届かない女の生々しいエロス」


『痴女』(画像提供:ドリームチケット)

第14回 ドリームチケット「手が届かない女の生々しいエロス」

2001年にドリームチケットが立ち上げられた頃は、2000年発足のアウダースジャパンやワンズファクトリーなどといった新興メーカーが、イケイケぶりを見せていた。

「あの当時は、当社も含めて、新規参入のメーカーはやりたいことがあればどんなジャンルにでも手を出していましたね。ただ、当社の場合は、売れる作品をつくるためにどうすればいいかと、マーケティングリサーチを考えるようなアプローチはしないんです。どんなジャンルであれ、監督がエロいなと思うものを撮ってもらいたいというメーカーなので」

エロ表現に関しては、当時のAV業界に流れていたメインストリーム(=人気単体女優をアイドルのように撮る)の逆を行き、生々しさを強調する方向性で始まった同社。矢沢ようこ、藤森加奈子、池乃内るりを起用した『痴女』(2001年12月)は、まさしくその方針を具体化したものだろう。


『美乳ナースの逆セクシャルハラスメント』(画像提供:ドリームチケット)

「人気の単体女優3名を1作品のオムニバスに収録するという手法は、他社ではほとんど例がなかったので注目を浴びました。おかげさまでDVD版だけで数千本のセールスを記録し、さらにVHS版も好成績でしたから、大成功でした」

幸先の良いスタートを切った同社は、翌年には魚眼レンズを使った新機軸のレーベル「ex(エクス)」を立ち上げ、これもヒットした。魚眼レンズで接写することで撮れるダイナミックな画面と、ユーザーがAV女優を相手にリアルな疑似セックス体験に浸るというコンセプトがウケた。現在のVRの原型ともいえるスタイルだろう。しかもシリーズ第1作はエロ巧者の及川奈央なのだから、売れないわけがない。

「『ex』の第1弾は、当時のスター女優・及川奈央を起用した『美乳ナースの逆セクシャルハラスメント』(2002年)。これが売れて、当社はメーカーとして軌道に乗り始めたんです」


『秘書in… [脅●スイートルーム] Secretary Riko(28)』(画像提供:ドリームチケット)

そして2006年6月には、現在も続く『脅●スイートルーム』が始まった。

「才色兼備の女性が男たちに私生活の弱みを握られて脅●され、何度も犯されている。そして何回目かの呼び出しでホテルのスイートルームに現れた彼女が、『今日で最後にしてください』と訴える。でも、そうはいかないと男たちが調教を始めるところから始まり、ラストまでノンストップでプレイが連なります。……というのが、シリーズ作品の基本的な流れです」

ドリームチケットの看板シリーズであり、沢庵監督の代表シリーズでもある。

「最初は別の監督に担当してもらったんですが、ドラマ色が強くて、ナマっぽさが足りないんじゃないかという声が内々でありました。初期の頃は我々としても作品のカラーに悩んでいたんですよ」


「脅●スイートルーム 超特別編集 5時間 2~清楚な美ヅラをゆがめ昼間っから悶え狂う12人の密室調教性交~」(放送:AV王)

そこでバトンを引き継いだのが、ワープエンタテインメントを退社してフリーになっていた沢庵監督というわけだ。ドリームチケットは、ワープ在籍当時から凌辱物でセンスを見せていた沢庵監督に注目していたらしい。

「ワープの若手監督たちが、100万円の予算内で自分の撮りたい作品を撮る『DRAGONS GATE(ドラゴンズゲート)』というレーベルがあるんですよ。そこで沢庵監督が撮った『ザ・エロビデオ 悪戯の記録』(2003年/ワープエンタテインメント)がすごくよかった。『脅●スイートルーム』には、あのテイストがほしいと思ったんです」

ここで、ワープ社のサイト上に掲載されている『ザ・エロビデオ』の作品紹介文を引用したい。

【レンタル時代は単体女優。そんな高野あゆみをワープ期待の新鋭監督・沢庵が家畜として完全陵辱。自分の尿を舐めさせ、肛門に入れたビーズを浣腸で排出させる。拘束され自由を奪われたまま進む限界を超えた展開が、『ドラゴンズゲート』作品代表作とも言うべき完成度で貴男に迫ります。】


「脅●スイートルーム 超特別編集 5時間 2~清楚な美ヅラをゆがめ昼間っから悶え狂う12人の密室調教性交~」(放送:AV王)

……まさに『脅●スイートルーム』である。沢庵監督のドSは若手時代からの筋金入りらしい。『脅●スイートルーム』は、まさにライフワークと呼ぶにふさわしいシリーズだろう。ただ、通算160本まで本数を重ねるまでには、撮影現場とメーカーの間で方向性の対立があったという。

「本数を重ねるにつれ、NG事項のない女優さんを起用してハード凌辱を売りにするシリーズにしてはどうかと、沢庵監督やレギュラーの男優陣から提案があったんです。でも、メーカーとしてはそれはダメですとお断りしました。『脅●スイートルーム』は、高嶺の花のような女優が乱れて堕ちていくシリーズにしたい。だから、ビジュアルも知名度もトップ級の女優さんありき。女優さんの質にこだわるより凌辱行為に特化したシリーズにはしたくなかったんです」


「脅●スイートルーム 超特別編集 5時間 2~清楚な美ヅラをゆがめ昼間っから悶え狂う12人の密室調教性交~」(放送:AV王)

沢庵監督の要望を採用すれば、さらにセールスを上積みできた可能性はおおいにある。それをはねつけるのは、メーカーにとって勇気が要る決断だったろう。

だが、トップ級の女優を起用し続けてきた結果、『脅●スイートルーム』は、いまでは人気女優が「出演したい」と逆オファーがくるまでのブランドとなった。アリスJAPAN専属の川上奈々美が出演を熱望し、沢庵監督以下同じクルーによるアリスJAPANとのコラボレーションで『女教師in… [脅●スイートルーム] 川上奈々美』(2017年/アリスJAPAN)が実現したことは記憶に新しい。

ちなみに、出演する女優たちが就いている、秘書や女医などの職業は、キャスティングされた女優のキャラクターに応じてG-REMIX氏が決めているそうだ。


『スチュワーデスin… [脅●スイートルーム] Cabin Attendant Risa(24)』(画像提供:ドリームチケット)

「このシリーズの撮影現場で、女性の職業はなにがいいかという話になったときに、男優の花岡じったさんが『俺は朝に新聞配達している女の子がエロいと思うんですよ』と言ったんですね。さすがに無視しました。別の企画でやってくださいと(笑)」

このようにエロを感じるポイントは人それぞれだが、多くのユーザーのツボにはまるのは、どんな職業なのか。

「最初は秘書、女教師、女医、スチュワーデス、モデルの5つで始めたんです。これだと20代前半からアラサーの女優さんまで幅広く起用できるので。ですが、シリーズ30本目あたりまで行ったところで、営業部から職業別で売り上げの平均を出しましたと報告があって、モデルは売れないのでやめてくださいと言われて、やめたんですよ」

いずれも高嶺の花だが、組織のなかで重要な位置を占めているインテリの美女が辱められる展開だからこそ、ユーザーに支持されているのだろう。


『制服美少女と性交 野中あんり』(画像提供:ドリームチケット)

「過去に最も売れたのは、村上里沙の『スチュワーデスin… [脅●スイートルーム] Cabin Attendant Risa(24)』(2008年)です。当社の全作品の中でも、ダントツに売れました。この作品以前は、異なるポージングの写真を2枚組み合わせたパッケージでしたが、シリーズ19本目にあたるこの作品から、女優の魅力が伝わるようにパッケージのデザインを変えて、写真1枚だけ使うようにしたんです」

こうして現場スタッフ、メーカー、ユーザーの折り合いがついた結果、『脅●スイートルーム』は、スター女優のステップアップ作品として業界的にも一目置かれる長寿シリーズへと育ったのである。

さて、続いては『脅●スイートルーム』と並ぶ有名シリーズについて見ていこう。『制服美少女と性交』がスタートしたのは、2007年8月のことだ。中年のおじさんと制服の女学生が2人きりでいかがわしい行為に没頭する『制服美少女と性交』は、ドリームチケットの社員でもある喜多郎監督が手がけていた。


『白衣の天使と性交 麻倉憂』(画像提供:ドリームチケット)

「喜多郎監督には制服物を作りたいという想いがあって、そこから生まれたシリーズです。彼はもともと葵刀樹監督のオーロラ・プロジェクト作品のファン。喜多郎監督はオーロラをリスペクトしつつ、『葵刀樹ってなんてカメラワークが下手なんだ、俺は見やすい葵刀樹を作る』と意気込んでこのシリーズを始めたんです」

葵刀樹監督とは、制服少女のハメ撮りAVのパイオニア。2000年にオーロラ・プロジェクトをみずから設立した。同監督のカメラワークについてはここでは触れないが、喜多郎監督の情熱はしっかりとユーザーに届き、『制服美少女と性交』は同社のラインナップに定着。

また、同シリーズにあやかったタイトルの『白衣の天使と性交』(2009年)、『憧れのスチュワーデスと性交』(2011年)、『就活女子大生と性交』(2014年)、『麗しのレースクイーンと性交』(2014年)が誕生。これらはすべて喜多郎監督作品だ。


「夜勤明けの白衣の天使と朝っぱらから病室で性交 3 着衣挿入と猥褻看護 4時間」(放送:エンタ!959)

「喜多郎監督は『女子●生が好きだから、制服物だけ撮りたい』と言うんですけど、会社としては人気女優の作品も撮ってほしいと依頼したんです。そこで、『自分の撮りたいテイストを活かしたまま、タイプの違う女の子を撮るにはどうしたらいいんだろう』と会議で話し合い、じゃあ職業を変えてみようということになったんです」

同社の歴代売り上げベスト5には、この「性交」の流れが2作品入っている。『白衣の天使と性交 麻倉憂』(2009年)と、『憧れのスチュワーデスと性交 春原未来』(2012年)だ。やはり、その時々の旬な女優の起用が勝因のようだ。喜多郎監督のような強いこだわりを持つ監督の仕事をしっかり数字につなげている点で、プロデューサーの腕の良さが光るエピソードだろう。今月のエンタ!959では、『白衣の天使と性交』の総集編となる「夜勤明けの白衣の天使と朝っぱらから病室で性交 3 着衣挿入と猥褻看護 4時間」が放送されるので、ぜひチェックしてほしい。


『憧れのスチュワーデスと性交 春原未来』(画像提供:ドリームチケット)

そして、歴代売り上げベスト5のうち、残る2本もまた、やはり同社らしい作品。『微乳・A とっても感じる小っちゃいおっぱい 希内あんな』(2009年)と『微乳・A とっても感じる小っちゃいおっぱい 秋元美由』(2009年)である。

AVの歴史において、ドリームチケットが果たした役割をひとつだけ挙げよと言われたら、この『微乳・A』を挙げる人は少なくないのではないか。なにしろ同社は、「微乳」ブームの火付け役となったメーカーなのである。ワープエンタテインメントの社員監督でもあった五右衛門監督による、『ハニカミお姉さんの敏感Aカップ 渡瀬安奈』(2007年/ワープエンタテインメント)で微乳が初めてAV界で注目された直後、ドリームチケットはすぐさま動いた。こうして五右衛門監督に依頼して誕生したのが『微乳・A』。微乳物の走りとなったシリーズだ。


『微乳・A とっても感じる小っちゃいおっぱい 秋元美由』(画像提供:ドリームチケット)

「反響があってシリーズ化されました。AV業界って、作り手の思い込みで作るか、売り上げを目指して作るかのどちらかなんです。そうすると、微乳と巨乳という選択肢があったら、多くの場合は巨乳を撮っておけばなんとかなるだろうという考え方に走るんですよね。そこのアンチテーゼで始まったシリーズですけど、やっぱり、博打は逆に打ったほうがいいんだなと、改めて思い知らされました」

微乳AVの企画が立ち上がった理由は簡単なものだった。

「ウチの社長が巨乳嫌いなんです。でも、制作スタッフによる企画会議の席では、『巨乳じゃないと売れないじゃん?』といった反対の声が多かったのは事実です。ところがいざリリースすると売れ始めたものですから、次回作を早く撮れと、毎月のように上から言われていたほどです。Aカップの女優さんは数がいないから、苦労しましたね。ただそれも2010年9月まで。当社からの微乳物のリリースはいったん休止しました」


『微乳・A とっても感じる小っちゃいおっぱい 希内あんな』(画像提供:ドリームチケット)

キャスティング面での苦労があったとはいえ、売れていたのに手を引いたのはなぜなのか?

「ファン層の狭いフェチ物は、小出しにしたほうがいいんですよ。珍味を丼に山盛りにして出してはいけないというか。某大手メーカーがまさにそういう作品を始めたのを見て、このジャンルでの僕たちの仕事はもう終わったかなという思いに至ったわけです。でも、いいコがいたらたまに撮ります。完全に終わったわけではありません」

実際、2015年4月に微乳の女王・あべみかこを起用してリリース再開されている。現在は2017年3月の澄川鮎を最後に止まったままだが、今後の展開に期待したいところだ。

ところで、数々のヒット作品をものにしてきたG-REMIX氏だが、出来はいいのにセールス面では振るわなかった作品も数多くある。その中でも特にG-REMIX氏が愛着を寄せる作品を教えてもらった。

「傑作だから特に見てほしいのは、『お昼のシゴト』(2006年)ですね」


『お昼のシゴト』(画像提供:ドリームチケット)

内容の紹介は、サブタイトルを引用すれば十分だろう。パッケージには、「某高級フィットネスクラブのチーフインストラクターと都内某有名デパート紳士服売り場の販売員の普段は見せない昼間の仕事をのぞき見してから昼休みに会社の隣で大胆セックスさせてもらいました。」とある。

「これからAV女優として活動しようと、プロダクションに所属したばかりの子がいまして、彼女は都内の某デパートに勤めていたんですよ。それを聞きまして、AV未経験の彼女が本当に勤務しているデパートで、隠し撮りをしたんです。お昼休みの休憩時間に撮影スタッフと合流して、非常階段でスタンバイしている男優の花岡じったさんとカラミをして、ストッキングがビリビリに破れた状態でまた売り場に戻って働くという流れをガチで撮りました。いい出来なんですよ。でも、この内容がユーザーに伝わらなかった。凝りすぎたパッケージが原因じゃないかと思っているんですけど……売れませんでしたね。すごくリアルで生々しい映像をものにしたので、おすすめしたいです」


『あの頃、制服美少女と。 富田優衣』(画像提供:ドリームチケット)

最後に、現在進行形で展開している注目ラインナップについて伺った。『制服美少女と性交』に代わって登場した同社の制服物の看板シリーズ『あの頃、制服美少女と。』と、人気女優が男の乳首を攻め立てるシリーズ『今日これから…君の乳首、犯しにイクね』だ。ともに旬な女優をキャスティングし、タイトルからも伝わるフェティッシュな内容で固定客を掴んでいる。

「『あの頃、制服美少女と。』は、喜多郎監督よりもひと世代若い社員監督が後任。彼は青春時代には縁がなかった女子●生と遊びたいという夢を持っていて、それを叶えたいからと始めたシリーズです。なので出演するのは、監督の想う『平成の女学生』。黒髪女子●生のポニーテールとうなじが好きな人は特に必見です」


『今日これから…君の乳首、犯しにイクね 松本菜奈実』(画像提供:ドリームチケット)

援助●際の匂いがぷんぷんただよう喜多郎監督の作品群とは大きく趣の違う世界だ。かつての学園にタイムスリップして、青春時代を取り返すのが『あの頃、制服美少女と。』の世界観と言えるかもしれない。

「『今日これから…君の乳首、犯しにイクね』は、乳首を攻められるのが大好きな、さもあり監督が撮っています。100センチ爆乳の松本菜奈実を起用したときでさえ、彼女のほうが男の乳首を延々攻めるんですから、まったくブレません。『巨乳の無駄遣い』と言われましたが、監督がエロいと思っているのだから、好きにやってもらってます。よほどセールスが伴わない場合を除いて、抜擢した監督に任せるというドリームチケットの方針は今後も変わりません」

同社は今日に至るまでずっと、ニッチなフェチ物を、どうやったらパイの大きいところに出して勝負できるかを工夫し、つねに企画のブラッシュアップを考えてきたという。今後のリリースから、目が離せない。

Profile

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文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan

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