アダルトレーベルの歴史研究

AVメーカー各社は、それぞれ愛着をもって自社のレーベルを育ててきた。そうしたレーベルの成り立ちを紹介していくこの新企画、記念すべき第一弾は、「SODstar」だ。1995年の創業以来、日本のAVシーンを牽引するソフト・オン・デマンド(SOD)。破天荒な企画物作品の数々で世間の度肝を抜き続けていた同社グループが、2007年に満を持して立ち上げた単体女優レーベルが、「SODstar」である。いまでは紗倉まなちゃんを筆頭として、個性豊かな女優陣が活躍する大所帯に育ったこのレーベル。そこに込められた創り手の思いの源を探った。

第1回 SODstar「仲間として応援したくなる女の子」


「紗倉まな AV Debut」(画像提供:SODクリエイト)

第1回 SODstar「仲間として応援したくなる女の子」

「SODstar」レーベルの第1弾は、2007年にリリースされた『芸能人 範田紗々 激痴●地獄』。昨今では、「あの芸能人がAVに転身!」といったキャッチコピーで売り出される女優が引きも切らないが、そのトップバッターこそ、範田紗々ちゃんだ。彼女は「芸能人」の冠がついたAV女優第1号であり、琴乃ちゃんや板垣あずさちゃんといった芸能人からの転身組もこのレーベル専属女優として次々と後に続いた。SODstarは、芸能人AVの走りなのである。

「マジックミラー号」シリーズなどをはじめとして、企画物に強いAVメーカーとして名を馳せていたSODが、元芸能人たちを起用した狙いはどこにあったのか。SODクリエイト宣伝部の担当氏はこう振り返る。


「紗倉まな 結婚式最中の新郎に強制中●しさせる美人ウェディングプランナー」(放送:ミッドナイト・ブルー)

「今はSODstarの女優に限らず、AV女優さんがテレビやラジオに出演する機会が増えていますけど、昔はそういう一般メディアに出ることは多くなかった。しかし当社としてはAV女優さんたちを広く認知してもらいたいし、ネガティブなイメージを払拭したいという強い思いがありましたから、そういう背景でSODstarを始めました。レーベルの立ち上げ当時は、女優さんの宣材写真を持って、テレビ局やラジオ局、出版社をあちこち回って売り込みをしていたものです」

こうした〝AV女優メジャー化プロジェクト〟には、前段があった。同社の制作によるバラエティ番組『Neo Happy系教育テレビ』(通称:NH系教育テレビ)が2006年4月から同9月までテレビ大阪で放送されており、その後継番組である『DIVA』や『淀川★キャデラック』も含め、SOD専属女優たちが、夜のお茶の間で暴れまわっていたのだ。そこには当時絶大な人気を誇った夏目ナナちゃんもいた。現役AV女優がテレビで見せる高いパフォーマンスは、メディア側にも認知されていったのである。


「『紗倉まな』超高級ナマ中●し輪●倶楽部!」(放送:レインボーチャンネル)

「そういう取り組みがすこしずつ実を結んで、わかりやすいところで言えば、メディアの会社から当社への問い合わせ内容が変わっていきました。もともとは男性向け雑誌に掲載するための素材依頼が100パーセントだったんですが、テレビ関係者からの出演オファーが増えましたし、女優さんが描いた漫画原稿をほしがる大手出版社からの問い合わせもありましたね」

今では、特技や個性を活かして、多彩なジャンルで活躍するAV女優は珍しくない。SODstarの看板女優の1人、紗倉まなちゃんは代表格だろう。彼女は小説を書き、それが映画化され、東京国際映画祭のレッドカーペットを歩いた。

「まなちゃんと初めて会ったのは、所属事務所に出向いて面接したときです。話していて、いいコだなと思ったんですけど、別れ際に受けた印象がとびきりでした。運転免許を取ったばかりの彼女は車で来ていて、私たちの前で後ろのライトをチカチカと点滅させて走っていったんですよ。『アイシテル』か『アリガトウ』の意味か……。どちらにしても、あれで私たちみんな感動して、彼女のことを好きになったんですよね」


「ソフト・オン・デマンド 宣伝部 入社1年目 市川まさみ(23) AV出演(デビュー)!!」(画像提供:SODクリエイト)

昨年6月にSODstarスターからデビューした唯井まひろちゃんは、そんな紗倉まなちゃんに憧れてAV界に飛び込んできた。かつてミスターの活躍に憧れた少年たちが、続々とプロ野球を目指したのと同じだ。スター女優の存在がプラスの連鎖を生み、レーベルが擁する〝選手層〟に厚みをもたらしている。

現在、プロダクションに所属するAV女優志願の女の子が、毎日何人も面接のためSODクリエイトを訪れるという。だがそのなかからSODstarの専属女優になれるコは、年間10人にも満たない。

「そのコのチャームポイントっていうのは面接で1時間しゃべったらほぼわかります。SODstar専属になるにはビジュアルだけじゃなく、内面の要素も大切。今の時代、女優自身がSNSなどで発信し、自己プロモーションをしてファンを掴んでいく必要があります。そのコのそういうやる気は、やっぱりウチの会社の人間にも伝わるんですよ。SODstar専属に迎えるにあたって当社が重視しているのは、会社のみんなが仲間として応援したくなるような女の子かどうか。トップの女優になるにはファンの心を掴むこと。そして身近でみているスタッフにも『あの娘は本当にいい娘だよね!』『頑張ってるよね』と言われる女優さんがSODstarには多いような気がします」


「SOD人妻レーベル史上最大のギャップ人妻 『私の本性見てください』 榎本美咲 28歳 AV Debut」(画像提供:SODクリエイト)

社内にはプロデューサーやディレクターがおり、営業、宣伝、編成といったいくつもの部署があるが、それらの各担当者に好かれる女優は、まず例外なく売れるのだという。

「それは私たちに力があるということではなく、女優さんが本当に魅力的で気配りができるということです。たとえば、市川まさみちゃん(SOD宣伝部の社員兼女優からSODstar専属へと転身)は、SODの社員ということもあり昔から宣伝部以外の社員ともコミュニケーションをとっていて、みんなに“いっちー”と呼ばれてかわいがられてました。そうなってくると、他の専業女優の作品と同じくらい『俺、いっちーをプッシュしたい』っていう営業の社員が現れ、私たち宣伝部も同じく『いっちーには売れてほしいからプロモーション頑張ります』となるし、『本気でいっちーの作品、撮りたい』っていう社内のディレクターも出てくる」

宣伝部時代の市川まさみちゃんは、SODstar専属女優のイベント会場に同行し、女優を売り出すことに心血を注いでいた。そこでは当然多くのAVファンとの触れ合いがあり、「宣伝部のきれいなお姉さん」として認知が広がっていった。そんな彼女が「SOD女子社員」レーベルからAVデビューすることが決まると、もともと顔見知りになっていたAVファンの男たちは大感激。彼らは市川まさみちゃんの熱烈な応援団になり、作品はもちろん売れた。


「『私、Hがしてみたいんです』 戸田真琴 19歳 処女 SOD専属AVデビュー」(画像提供:SODクリエイト)

また、榎本美咲ちゃんのように、「旦那に内緒でAV体験」のキャッチコピーでおなじみの「本物人妻」レーベルから、SODstar女優へ抜擢されたケースもある。

「榎本美咲ちゃんは、とにかくエロい。内面を掘れば掘るほどエロい。乳首だけでイケちゃうというのもすごいし、高校時代はパンツ穿かないで学校に通っていたとか、エロい話も満載。『このコはエッロ!』とみんな口をそろえる。だからそこをどんどん打ち出すプロモーションをかけていったんです」

榎本美咲ちゃんのようなエロ人妻とは対照的に、まるで田舎から出てきたばかりのような清楚な女の子だった戸田真琴ちゃんも、SODstarで活躍中だ。衝撃の処女喪失映像とともに「青春時代」レーベルでデビューした彼女は、青春時代で6本をリリースした後、SODstarへ移籍を果たした。


「『古川いおり』あなただけを見つめながらゆっくり丁寧に絶頂へ! ごっくんスペシャル!」(放送:レインボーチャンネル)

「戸田真琴ちゃんは、『私、何でもやります、頑張ります!』みたいなやる気のかたまりのようなコで、『すごいなこの子』と思いましたね。絶対ここで成功してやるみたいな意識がすごく強いなと感じたから、それは応援したくなりますよ。まず社内のいろんな部署の人に彼女を紹介することから始まり、大阪や名古屋などに営業のために連れていったんです。案の定、店舗やメディアの関係者も『あの子はいいコだね〜』って、喜んで売り出してくれましたね」

戸田真琴ちゃん本人もSNSでみずから積極的に情報を発信し、映画のコラムなどのライターとしても活躍するようになった。他にも古川いおりちゃん、桐谷まつりちゃん(昨年末でSODstarを卒業)、小倉由菜ちゃん、本庄鈴ちゃん、そして子連れの「まりりん」こと白石茉莉奈ちゃんら、他の女優とキャラクターがかぶることのない、バラエティあふれる面々がSODstarには集う。


「【SODstar】小倉由菜 いいなり温泉旅行」(放送:VENUS)

「まりりんは、かわいい顔していながら子どもがいる。普通、そういうプライベートは隠すんだけど、逆にそれを売りにして『ママドル』っていう言葉をプロデューサーが考えてくっつけたんですよ。アイドルフェイスで子持ち人妻、そしてあのナイスバディーというギャップも効いて売れましたね。彼女の場合はもともと芸能界の仕事をやっていたのでファンサービスにも長けてるし、純朴育ちの紗倉まなちゃんとは違って最初からプロフェッショナルでしたね」

逸材ならば、ママであろうが人妻であろうが処女だろうがSODstar女優になれる。彼女たちの素質と努力に、社内スタッフの慧眼が加わることで、スターは誕生するのだ。

「ウチって家族みたいな感じなんです。女優さんとスタッフは仲いいし、専属女優同士も仲がいい。僕たちも、そういう環境にすべくずっとやってきました。女優さんと社員が一緒になって誕生日会や忘年会、新年会をやる。そうやって絆が生まれ、女優さん同士も仲間意識を持っているし、結果、みんながSODクリエイトを好きになってくれていると思うんです。だって、撮影も打ち合わせもなにも用事がないのに、専属女優がひとりでブラっと遊びにくる会社ですからね」


「僕の彼女はおしゃぶりが我慢出来ないアイドル 小倉由菜」(放送:バニラスカイチャンネル)

可能性のある人材を発掘して育てあげ、チームワークの大切さも植えつける。SODstarはさながら、強いスポーツチームそのものだ。

「たとえば、JAE(ジャパンアダルトエキスポ)に行っても、SODクリエイトのブースはにぎやかですよ。ステージに立っている女優さんを、他の専属女優がブースの中から声を出して応援してるんですよね。『〇〇チャン頑張れー!』って」

そんな絆は、引退後も容易には切れない。2010年にSODstarでデビューした羽田あいちゃんは2012年にアイデアポケットに移籍し、2014年に一度引退。そして昨年夏にAV復活を遂げた。カムバックの舞台は、やはりSODstarだった。


「芸能人 白石茉莉奈 AV Debut」(画像提供:SODクリエイト)

「ファミリー色があるから、羽田あいちゃんはウチに戻ってきてくれたんだと思います。うちの社員たちは女優さんと一緒にごはんを食べに行くし、お酒も飲む。仕事以外の部分でのつきあいが深いんですよね。ただそのぶん引退とか移籍が決まって離れるときは本当に寂しくて落ち込みますよ。それに、限られた数の社員で回す以上、現実問題として、全部の女優さんに全力を注げないこともあるんです。そんなコが去っていくと、情熱に応えてあげられなくて申し訳なかった、と忸怩たる思いにとらわれます」

SODstarがここまで「仲間」として女優のことを考えているとは、筆者は知らなかった。


「白石茉莉奈 おばさんのむっちりパンティライン尻にガマンできず何回も中●ししちゃったボク」(放送:ミッドナイト・ブルー)

「たとえAVを引退しても、AVで積み上げた高い知名度を使って、他の世界でも活躍してほしいというのが、僕たち社員の本望です。そのために僕たちはもっと頑張らなきゃいけないし、彼女たち自身にも頑張ってほしいと思う。何本も出演していると、みんなどうしたらいいかわからない状態に陥るんです。『これ以上の変化をどう作っていけばいいの?』という。そういうときに自分自身で何をすればいいのかを考えられたり、気持ちをうまく発信できる女優さんが残っていけるんですよね。新たな一面をアピールしたら、そこに注目してくれる人が必ずいますからね」

彼らは、女優をどう売り出すか日夜知恵を絞る。AV界のメーカー同士が作品の売り上げを競うAV界最大のイベント「AV OPEN」にて、SODクリエイトが今回出品したのは、女優陣が中国語で淫語を駆使しながら痴女を演じる、なんと「全編中国語」の作品だ。現在、黒髪の正統派美少女の本庄鈴ちゃんを中華圏で売り出そうとの活動もしており、当地の反響も上々だという。


『「SODstar 羽田あい Re:DEBUT」(画像提供:SODクリエイト)

「女優さんたちが働きたい環境を作ることが僕たちの仕事ですね。有名になりたいという気持ちを持っているコに対しては、アダルト以外の仕事をいかに作っていくかというのをつねに考えています。その結果として、いまのSODstarの形がある。でもまだ、今が完成形というわけじゃなく、もっと彼女たちが持つ才能を、世の中に発信していきたい。AVの仕事をやっているコたちへの偏見がない世の中になって、AV出演しつつマルチな活動ができる状況になれば本当にうれしいですね」

その思いの背景には、インターネットの普及でメディアが多様化するなかで、商品としてのAVが販売面で割を食っていることへの危機感もあるようだ。


「百聞不如一見!SOD都是真的、帯大家体験情色文化的最先端―日本!改編自真実案例 影像介紹日本観光須注意事項全片中文発音 東京肉穴淫語痴女物語」(画像提供:SODクリエイト)

「単純にアダルト映像という商品カテゴリーで考えると、ユーザーが男性で、なおかつ18歳以上ということになりますから、ターゲット層がすごく狭いんですよ。そこで、ノンアダルトのジャンルでも、世界に発信していくことが重要になってくる。AV以外の面でAV女優に光が当たることで日本のアダルト産業も注目されるし、彼女たちも幸せになれるんじゃないかなと思ってます。立ち上げ時と違って、芸能人以外の女の子もたくさんウチの専属になってますが、SODの専属女優というだけで芸能人と呼ばれるようにしていきたいと思います」

AV女優と芸能人の垣根が崩れる日を、我々はワクワクしながら待とうではないか。

Profile

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文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan

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