アダルトレーベルの歴史研究

2000年に発足したMOODYZと言えば、数多くの人気女優が専属として活躍した歴史あるメーカーであり、2002年に専属デビューした生え抜きの看板女優・南波杏の名は、オールドファンには懐かしいだろう。古くは『最高のオナニーのために』『ドリームウーマン』『Sex On The Beach』などの名シリーズから、今に至るまで人気女優の魅力を引き出し続けてきたMOODYZの企画力の源泉は、どこにあるのか。

第4回 MOODYZ「MOODYZの企画力の源泉」


「123発350mlの精子を全てまとめてごっくん 麻里梨夏」(画像提供:MOODYZ)

第4回 MOODYZ「MOODYZの企画力の源泉」

単体女優メーカーでありつつ、企画AVの宝庫とも称されるMOODYZ。いかにして毎月30本を超える新作が絶えることなく生み出されるのか、「AVの総合デパート」を標榜する同社制作部長氏にお話を伺った。

「MOODYZは、専属の単体女優から企画単体の女優さんまで、キャラクターもロリ系から人妻系まで幅広く起用し、時には特殊なフェチの企画物も撮るという、多岐にわたる作品づくりをずっと心掛けています。志望動機に『南波杏ちゃんのAVを観たから』と挙げて入社してきた人間もたくさんいるように、エロいものを作るのが楽しいと感じる人が選ばれて集まっているのが、MOODYZ。だからみんな企画を考えるのが大好きで、つまり会議好きな人たちの集団なんです」

重要となるのは企画会議だった。以前は「毎週水曜日に夜を徹して朝までやっていたことも」あったという。


「123発350mlの精子を全てまとめてごっくん 麻里梨夏」(画像提供:MOODYZ)

「ザーメンぶっかけ物をやりたい、と誰かが言いだせば、よそのメーカーでやっていない新機軸でやれないかと考えて、アイディアを出しあいます。ぶっかけに、なにか別の企画をかけ合わせたらどうだ、とか。突拍子もないくだらない企画が提案されることもありますが、簡単にダメ出しするのではなく、どうやってヌケるAVに仕上げようかと、ああでもない、こうでもないと、いい大人たちが意見をぶつけあうんです」

その会議に参加するメンバーは、約20人にものぼるという。さすが、多作の大手メーカーだ。

「たとえば、『1リットルごっくん』という企画を誰かが出す。これいいね、と実現に向けて話しあう。でも、現実的には、1リットルは難しい。集められる汁男優1人アタマの精液の量を計算すると、500ミリリットルが限界ですからね。では、500ミリリットルに満たないなかで、どうやってインパクトを出すかを考えるんですよ」


「超高級小悪魔メンズエステサロン 水卜さくら」(画像提供:MOODYZ)

こうして誕生したのが、ザーメンに強い企画単体女優による『精子を全てまとめてごっくん』シリーズ。ボウルに溜めた莫大なザーメンを飲み干すだけでも大変なのに、ノド奥を突くイラマでそれを全部吐き出し、戻したザーメンをさらにまた飲み干すという超ハードな内容である。現在のところ4作がリリースされており、浜崎真緒が『123発350ml』、あおいれなが『114発400ml』、宮崎あやが『122発380ml』、麻里梨夏が『123発350ml』と、タイトルには正確な数字が表記され、これがガチ作品としての信用につながる。なにしろ5作目を作ろうにも、この過酷なミッションをこなせる女優がなかなかいないという。

「大量ごっくんをやっているメーカーがほとんどないこともあって、すごく人気のあるシリーズなんです。MOODYZ作品はAV=ある種のファンタジーでありながら、リアリティも追求するので、すべて本物の精液だと証明するため定点観察カメラによる回しっぱなしの映像も押さえています」

こうしたリアリティへのこだわりは、多くのメーカーが手がけているような定番ジャンルの作品においても同様だ。たとえば、2015年の初川みなみから始まった、専属女優陣による『超高級小悪魔メンズエステサロン』シリーズ。


「超高級小悪魔メンズエステサロン 水卜さくら」(画像提供:MOODYZ)

「MOODYZの看板女優を起用し、6コーナーもある200分という長さの作品で、1日撮りが主流になっている昨今のAV業界ですが、丁寧に2日撮りしています。監督はメンズエステが大好きで、何度も自腹で通って研究されている大崎広小路さんにお願いし、女の子たちもエステティシャンとしての訓練を受けながら撮影を進めています」

一方、旬な企画単体女優を起用して2014年に始まった『超高級中●し専門ソープ』シリーズも、「神は細部に宿る」をさらに突き詰めている。

「撮るにあたっては、吉原、熊本、雄琴に足を運び、日本3大ソープと呼ばれる店舗を制覇しました。高価な高級店の魅力とはなんなのかを調べるために、プロデューサーや監督が自腹を切って10万円もするソープランドに行ってサービスを経験し、これは素晴らしいと思える要素を女優さんたちにレクチャーして再現してもらっています」


「超高級中出し専門ソープ 松本菜奈実」(画像提供:MOODYZ)

やはり、高級店というのは、ちょっとした所作ひとつが大切なのだとか。

「そのディテールを再現できていると、実際に高級店に行ったことがある視聴者が見れば、このシリーズは本物だとわかる。それが口コミで広がる。それによって、高級店に行ったことがない人も、お店のお客さんの気分に浸りながら鑑賞できるんですよ」

ここでもう一度、会議に戻ろう。MOODYZの場合、AV界で流行しているネタをリサーチして会議で取り上げるのではなく、「新しいものにチャレンジして、新ジャンルを開拓しようという考え」が、まず先にあるという。

「MOODYZの会議で重要視しているのは、20人の参加者がいたら人数分の性癖があるので、1人でも推す者がいたらチャレシンジしてみるべきではないかという部分です。19人が『これのどこがいいのかわからない』と言っても、『いや、これで僕は抜くんです』という1人の情熱があれば撮ります。確率で言えば、お客さんの20人に1人、もしかしたら100人に1人くらいしか賛同してもらえないかもしれないけど、喜んでくれる人がいる可能性がある限り、開拓をどんどんしようじゃないかという考え方です」


「超高級中出し専門ソープ 松本菜奈実」(画像提供:MOODYZ)

そして作品がヒットすればシリーズ化され、当たらなければそれっきり、ということを「ずっと繰り返している」という。

昨年、最も活躍した企画単体女優の1人である美谷朱里の出世作は、同年のMOODYZ作品『連続射精するほど快感悶絶!! こねくり回しお掃除フェラ』だった。大ヒットし、シリーズとして定着した。

「お掃除フェラ(射精直後の締めのフェラ)がすごく好きなプロデューサーがいて生まれたものです。『お掃除フェラだけでファンを満足させられるのか?』という意見が多く出たなか、射精後もこねくり回すように吸ってくれるのが自分の理想だ、男の夢だ、と譲らずに話を実現させ、結果、売れたんです」


「連続射精するほど快感悶絶!! こねくり回しお掃除フェラ 美谷朱里」(画像提供:MOODYZ)

そうやって、20人のうちの1人が推した企画が大ヒットした前例が積み重なり、どんなマニアックな企画であろうとも、可能性に賭けてみるという企業文化が生まれた。

「理解できないし絶対無理だと思っても、会議の席で否定する者がいなくなる。それをより抜けるものにするにはどうしたらいいか? という前向きな話しあいに発展し、その結果として、MOODYZならではのオリジナリティある作品と呼ばれるものが誕生するんですよ」

しかも、MOODYZには過去からの蓄積がある。『最高のオナニーのために』『ドリームウーマン』『Sex On The Beach』など、かつてMOODYZから生まれ一世を風靡したシリーズは、現在の作り手たちにとって教科書的な存在だ。


「スペレズごっくんWパイパン美少女 つぼみ あべみかこ」(画像提供:MOODYZ)

「なぜ当時のユーザーの心に届いたのかを研究することで、そこから派生して新たな企画が誕生するんです。昔のこれらの企画はプレイが中心ですが、そこに、ストーリー性も加わることで、今日のMOODYZ作品があるという感じですね」

マイノリティに向けたフェチ物でありつつも、単体女優物としてもしっかり成立しているのは、こうした背景があるからなのだろう。

「100人いれば100通りのフェチがある。それを、そこまでマニアックではないライトなユーザーにも提示できるよう、間口を広げて作っています。ソープ物にしても、完全1人称物じゃなきゃ駄目だというユーザーもおられますが、MOODYZとしては主演女優の魅力を伝えるため、客観映像も使って最もエロく映るアングルを提供するよう心がけています」

これら人気のシリーズ物を持続させるために、MOODYZが心がけていることがあるという。


「これが噂の媚薬漬け巨乳捜査官 高橋しょう子」(画像提供:MOODYZ)

「その企画との相性がいい、ということを第一にキャスティングします。売れている女優さんだから起用する、ということはしません。企画に合わなければお客さんも喜ばないし、女優さんの評判も下がりますからね。月に1本撮っている専属女優についても、合わない企画に無理して出演はさせません。どうしてもその女優さんに合う既存の企画が見当たらないときは、じゃあ新たな企画を考えようということになります」

MOODYZのこうしたキャスティング術の凄みを雄弁に語るのは、2女優の共演物だろう。かつてなかった組み合わせを実現させ、内容も他社作品ではお目にかかれないものが大半だ。たとえば、『スペレズごっくんWパイパン美少女 つぼみ あべみかこ』、本田岬と桜井彩の『俺の嫁を抱かせてやるからお前の嫁も抱かせてくれないか?』、あず希麻里梨夏の『アニメ声まみれ淫語SEXの世界』、川上ゆう阿部乃みくの『母娘回春エステ』など、成功作が目白押しだ。

「女優さんのチョイスは後回しで、まずどんな内容でいくかと企画を練ります。それを経て、適役となる女の子を選ぶ際に、1+1が2になるようなカップリングじゃなく、化学反応が起きて1+1が10になるキャスティングを目指してます。2人を起用して、両者が高めあうようになるのが理想。女の子同士が互いに刺激を受け、負けず嫌いな部分が出るのならば、そこをエロに活かせるという女優さんが絶対条件ですね。1+1が2にしかならないんだったら、単独出演作を2人分見てもらったほうがいいかなと」


「これが噂の媚薬漬け巨乳捜査官 高橋しょう子」(画像提供:MOODYZ)

互いに名前を知る人気者同士が初めて対面する緊張感とライバル意識から、より濃密なエロを引き出していくというのが、MOODYZの狙いのようだ。

「さらに、どの監督を起用すればいいのか? という話しあいになり、毎回、真剣かつ楽しみながら会議をやっています。ファンの皆様に喜ばれて、お褒めのレビューをもらえたときのうれしさをみんなわかってますからね」

最後は、現在の専属女優陣に目を向けよう。ビッグネームのグラビアアイドルとしてMUTEKIでデビューし、その後MOODYZに移籍した高橋しょう子は、安定したセールスを続ける看板女優だ。水卜さくら、秋山祥子も含め、他社で人気を博した女優が移籍するケースは、昔から多い。


「両親が夫婦旅行で家を空けるというので初めてできた彼女とSEXしまくった 七沢みあ」(画像提供:MOODYZ)

「僕たちは、ナンバーワンの女の子を見るんだったらS1を見てくれ、でもオンリーワンのコを見たいんだったらMOODYZを見てほしい、そこは負けていないって言っています。人気がありつつ、誰にも負けない個性を持っているコを専属にしたいですね。MOODYZに来てほしいな、プロデュースしてみたいなとひそかに思ってる他社の看板女優さんはつねにいますよ」

一方、デビューからの生え抜き組は、近年は七沢みあ、初川みなみといった清楚な優等生タイプが多い。街中で普通に見かけるようなかわいいコで、男子がどこか「初恋」を感じるタイプだ。

「親近感もある、それでいて実際は見た目と違ってエロいんだろうなと思う女の子を専属女優に選びます。1万人単位で面接をしていると、話したときに勘でわかるんですよね。エッチが好きで、MOODYZのいろんな企画を楽しんでやってくれるだろうなという女性。あと、ファンが接したときに、この女優さんの作品をもっと見たいと思わせるような、スター性も大事ですね」


「【CS初解禁】中●し4本● 芸能人MOODYZデビュー解禁SP!! 仲村みう」(放送:フラミンゴ)

スターと言えば、高橋しょう子と同じく大人気グラドルだった仲村みうも、「1本だけ」との約束でMUTEKIに出演したにもかかわらず、その後、MOODYZが熱意を持ってオファーし続けた。復活した彼女の作品が、近年稀に見る大ヒットを記録したのは業界の語り草である。これぞと見込んだ女優の獲得のためにかける彼らの熱量はハンパではないのだ。

「熱烈なオファーを出して、中●しを解禁してもらえました。ファンの誰もが永遠に見られないと思っていた作品を実現させてくれたので、彼女には本当に感謝しています」

仲村みうとMOODYZの頑張りぶりは、今月のスカパー!アダルトで放送される。ぜひチェックしてほしい。

Profile

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文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan

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