アダルトレーベルの歴史研究

看板シリーズ『ボイン大好きしょう太くんのHなイタズラ』では、性に興味津々な年頃の男の子が年上のお姉さんを翻弄。一方、もう一枚の看板である『禁断介護』では、好色な老人が息子の嫁にむしゃぶりつく。そんな振れ幅の広い作品ラインナップで知られるAVメーカー「グローリークエスト」は、1998年5月の設立以来、独自の路線を走り続けてきた。「AV業界の栄光(グローリー)を求め、尽きることのない探究(クエスト)を」との想いとともに歩んできたその歴史を追う。

第13回 グローリークエスト「幼き日の妄想も老人の夢も叶えます」


『ボイン大好きしょう太くんのHなイタズラ 春風ひかる』(画像提供:グローリークエスト)

第13回 グローリークエスト「幼き日の妄想も老人の夢も叶えます」

グローリークエストが参入した1998年頃、AV業界は空前の好況に沸いていた。個性豊かなAVメーカーが群雄割拠するなかで、新参のグローリークエスト(以下、グロクエ)は何をもって差別化を図ったのか。

「当社の基本は、制作費を惜しまずに自分たちが作りたいものを作るということ。どこかのメーカーをライバル視して負けたくないとか、業界一位になりたいとか、そういった他社との競争を意識していないところがグロクエらしさだと思っています」

他社とは張り合わないし、もちろんマネもせず、我が道を行く。そう胸を張るグロクエ広報氏によれば、立ち上げ初期の代表作は、『スイートドール』、『きれいなオマ●コは好きですか?』、そして『素●ハメ撮り伝説』(※タイトルの伏せ字は編集部によるもの)。いわゆるギャル物や中●し物で、業界の話題をさらったそうだ。


『禁断介護 羽月希』(画像提供:グローリークエスト)

クリエイターたちの創作意欲は、メーカー発足の翌年にさっそくユーザーに響いた。

「当社の最初のヒット作が出たのは1999年、しとやかな和服のお姉さんが淫らにすそをはだけて乱れていく『艶』シリーズです。本物の和服を用意し、プロの着付け師に依頼するこだわりのせいで制作費はかなりかかりましたが、当時のAV界にはなかった『和服のエロス』が斬新だと注目されました。キャスティング面でも、坂口華奈、藤崎彩花、秋本優奈、朝河蘭などの人気女優を起用しています」

企業としての基盤が安定した2000年に入ると、さらなるチャレンジ精神を発揮。海外の美女に目をつけ、『ロシアン・ビューティー』をヒットさせた。翌年には『艶』で見せた大人のエロスから180度ターンし、ロ●ータ分野にも進出。つるぺた胸の人気女優たちをパイパンのおぼこ娘たちに仕立ててハードなカラミを撮った『●淫悪戯』シリーズは、爆発的に売れたという。


「【緊縛】女囚幻想 蓬莱かすみ」(放送:チェリーボム)

「まだVHSテープでの流通が主流の時代でしたから、社内の専門部署で製造した商品パッケージを社員総出で出荷業務をかけていましたね。それでもVHSの製造が注文に追いつかない状態でした」

当時は、多くのメーカーが「ウチはコレが得意!」という売りを掲げ、特定のジャンルのカラーを濃く出していたが、グロクエはそうではなかった。おもしろそうだと思えばすぐに手を出す積極策の結果、そのラインナップは、雑貨屋の棚のように数多くのジャンルに渡るようになっていたのだ。

そんな彼らの転機は2002年。ニューハーフ、レズ、アナル、SMなどの、いわゆるマニア向け作品のリリースが急速に増え始めたという。なにしろこの年の代表作として広報氏が挙げたタイトルは、『アナルフィスト』だ。コブシが丸ごと尻にめり込んでいるパッケージ写真はかなり壮絶である。


『禁断介護 羽月希』(画像提供:グローリークエスト)

「設立から4年が経ち、そろそろ会社が大きくなってきたこのタイミングで、いよいよ本当にやりたかったことにシフトしたということ。起用するのは、よそのメーカーと変わらず旬な企画単体女優ですけど、よそではやらないようなことをやるのがグロクエなんです。きれいな女優さんをきれいには撮らず、もうひと声を乗せたい。それがたとえば、フィストだったり、縛りだったり、アナルだったりするわけです」

こうした路線はユーザーの支持を受け、気を良くしたグロクエは、翌2003年になるとさらにディープな方面へとアクセルを踏み込んだ。数々のスカ●ロ物をリリースするなど、当時のグロクエの突破ぶりは、いまや業界の語り草である。

だが、「きれいな女優にもうひと声を」の精神で始まったマニアック路線の中から、世界的な注目を集める作品が生み出されることになる。2006年8月にリリースされた『禁断介護』だ。男優に起用された徳田重男氏は、1934年8月の生まれゆえ、この頃72歳。息子の嫁に介護されながらも、元気な愚息を生かして寝取ってしまうエロ義父を熱演している。


『禁断介護 羽月希』(画像提供:グローリークエスト)

「きれいな女優がふつうにセックスをしてもつまらないから、シワシワのおじいさんとからんでもらおうという発想から始まっています。老人NGの女優さんは少なくないので、キャスティングは毎回ひと苦労なんですけどね……。2006年当時は、まだ今ほどは高齢者の多さが注目されている社会状況ではありませんでしたが、当社としては、今後は高齢者の比率が増えていくだろうし、その中で高齢のユーザーにも注目されるのではと思って始めたのが、このシリーズです」

かわいい若妻と老人のカラミ。このビジュアルは画期的で、おおいにウケた。

「最初は、本当に弱ったおじいさんを介護するという設定でした。ところが老人の男優を探しているうちに、当時は汁男優(射精要員の脇役)だった徳田さんと出会うことができました。息子の嫁が咀嚼した食べ物を口移しで食べさせてもらうほど弱っていながらも、絶倫なセックスで息子から嫁を寝取ってしまう徳田さんの好演のおかげで、老人によるセクハラ物として定着したんです。高齢化社会の波にも乗って、2020年の今もリリースが続く長寿シリーズになっています」


「スケベじじいと巨乳ギャルの中●しSEX5」(放送:チェリーボム)

最年長AV男優としての徳田氏の名声は海を渡り、2008年にはアメリカのTIME誌を飾った。さらにアメリカのCNNにも取り上げられたことで、内外のメディアから取材オファーが続々と届く。その際、連絡先を一般に公開していない徳田氏の窓口として取材対応するなかで、「世界の徳田」とともにグロクエの名もおおいに轟いたのである。

こうして美女×老人の必勝方程式を確立したグロクエは、その後もバラエティ豊かな派生作品をリリースしていく。今月のスカパー!アダルトでは、グロクエの老人作品を多数放送しているが、まずは「スケベじじいと巨乳ギャルの中●しSEX5」(チェリーボム)について、担当プロデューサー氏からコメントをもらった。

「ギャル物と老人物というジャンルを1つにしたら面白いのかなと思って始めたら当たりました。ギャルって怖そうに見えて意外と性格がよくて、おじいちゃんが相手でも受け入れてくれるんです。この要素もヒットの一因でしょうね」


「怒張チ●ポで輪●され性奴隷に堕ちた巨乳未亡人 伊東真緒/推川ゆうり/倉多まお」(放送:レッドチェリー)

次は、「怒張チ●ポで輪●され性奴隷に堕ちた巨乳未亡人 伊東真緒/推川ゆうり/倉多まお」(レッドチェリー)。

「こちらは、高齢の労働者たちがコキ使われた末に、工場長の美しい未亡人に群がって犯すという展開。『禁断介護』ではカバーしていない『おじいさんのガツガツしたセックスを見たい』というニーズを持つユーザーさんが一定数いるので、そのフラストレーションを解消しようと立ち上げた企画なんです。歴代の主演女優の中でも、倉多まおさんの芝居の上手さと肉感的な体は光っていますね。カラミのエロさを引き立てていると思います」

そして老人のさらに強い性欲を見せつけるのは、「町医者老人の顔舐め中●し変態カルテ 水谷あおい/石川祐奈【特別編集】」(レッドチェリー)。


「町医者老人の顔舐め中●し変態カルテ 水谷あおい/石川祐奈【特別編集】」(放送:レッドチェリー)

「数年前から寝取られ物が流行ってますよね。これは、旦那がいるのに老人の医者に寝取られるという物語。自分の奥さんが老人の医者に何をされたら嫌かと考えたら、顔を舐められることだろうなと思い至ったんです。『これは診察です。ベロで肌のホルモンを確かめるんです』などと、めちゃくちゃなことを言ってヤッちゃうんですが、ちゃんとしたドラマ物として作り込まれているので、ユーザーさんのウケは非常にいいですね」

これだけ老人作品を手掛けていながら、グロクエは年頃の男の子の使い方も巧みだ。。もう1つの看板シリーズ『ボイン大好きしょう太くんのHなイタズラ』は、『禁断介護』の第1作から4ヶ月後の2006年12月からリリースが続いている。男優が、立場を悪用し、おっぱいの大きいお姉さんにセクハラをした果てにセックスを頂戴してしまうというのが基本的な流れだ。

2006年当時、女性が年下の●年を性愛の対象にする「ショ●」のジャンルは同人誌のコミックなどから広がりつつあったが、AV作品で初めてこれに着手したのがグロクエだった。広報氏によれば、恐る恐るの船出だったらしい。


『ボイン大好きしょう太くんのHなイタズラ 春風ひかる』(画像提供:グローリークエスト)

「企画会議で最初にプロデューサーの口から挙がったときは、こんなの売れるわけがないと多数の社員が大反対したんです。でも、トップの判断はGOでした。『俺としてもたぶん売れないと思うけど、試しに撮ってみろ』と。いつもの企画会議では、本当にダメだと思ったら迷わずボツにする人なので、わずかな期待は持ってたんでしょうね」

だが、大方の予想は裏切られた。すぐにはヒットしなかったものの、2作目、3作目と続けるうちに、じわじわと売れ始めたのである。担当プロデューサー氏はこう言う。

「しょう太役は、もちろん大人の、かつ小柄な男優を呼んで顔にモザイクを乗せて登場させてるんですけど、当初は『こんな男優のSEXで抜けるわけないじゃないか』との声を多く頂戴しましたね。ショ●物の概念がまだ広まっていない時期でしたから。でも、AVのなかで義母との近●相姦物は手堅いジャンルなので、それと同じ系統であるショ●物が売れるのは、そんなに不思議なことではありませんよ」


『ボイン大好きしょう太くんのHなイタズラ 春風ひかる』(画像提供:グローリークエスト)

ただ、グロクエの成功を見て他メーカーもショ●物に参入したが、昨今では大きくリリースを減らしているようだ。相対的に、元祖として始めたグロクエのショ●物がパイを戻し始めていると、プロデューサー氏は見ている。では、他社とグロクエでは、ショ●物の作り方にどんな違いがあるのだろうか。

「単純に、巨乳のお姉さんが年頃の男の子とセックスすればいいというわけではなくて、いたずらしたくなるような、気立てのいいタイプの女優さんを選んで出てもらっています。押しに弱くて、どんなことをされても許してくれそうな女の子でないと、ユーザーにも受け入れてもらえないんですよ」

筆者もこのシリーズの撮影現場を何度か訪れたが、シリーズ第1作からいまに続く100本以上を一手に引き受けている、ひょん監督の演出もこだわりがあった。しょう太役はプロの男優だが、上手におっぱいを愛撫しすぎるとNG。「年頃の男の子のようにぎこちなく鷲掴みにしたり、おそるおそる指でツンツン突いてみたり」と細かく指示をして撮り直すのだった。


「【近●相姦2篇】義姉犯日記」(放送:チェリーボム)

「昔、近所のお姉ちゃんにときめいた体験ってみんな持っていますよね。あのときにボインを前にしたみなさんは、きっとこういうことをしたかったでしょ、との気持ちでひょん監督は演出しているんですよ」

そう言われれば、誰しも納得。この基本コンセプトには圧倒的な普遍性がある。だが長寿シリーズゆえに、ユーザーを飽きさせないような工夫も必要になってくる。

「僕もひょん監督も毎回考えて、その時代に流行っているものからヒントをもらったりして変化をつけながら続けています。例えば、しょう太が民泊して、そこに住むお姉さんにイタズラしたりだとか。でもその一方で、軸はブレないようにしています。基本のパターンを変えたらユーザーさんが離れていくと思うので」

そうした少年時代の気持ちを大切にする姿勢を端的に表しているのは、ボインのお姉さんがお風呂に入るときの着替えのシーンだ。


「高身長お色気P●A会長と悪ガキ生徒会スペシャル」(放送:チェリーボム)

「このシーンは絶対に入れてくれと多くのファンから言われています。『ブラを外して初めておっぱいがこぼれるあの瞬間がすべてだ』とか、『そこに、僕たちがあの年頃に見ていた夢が詰まっているんだ』とか、そんなことをみなさんおっしゃってますね」

もっとも、クリエイターとしてはつねに新しいチャレンジをしたくなるもの。そんな思いを形にしたのが、2014年に始まった『お色気P●A会長と悪ガキ生徒会』シリーズだ。手が届かない高嶺の花のような美女に悪ガキがアプローチして、イカせてしまうという展開には、ワクワク必至。このシリーズでひょん監督は、「ダークショ●」という新たなジャンルを切り開いた。

今月のスカパー!アダルトでは、卯水咲流、葵百合香、彩瀬自由里が出演する「高身長お色気P●A会長と悪ガキ生徒会スペシャル」(チェリーボム)が放送されるので、ぜひチェックしてほしい。


『変態公衆便所タンツボ肉便器女 桑田みのり』(画像提供:グローリークエスト)

次は、老人でもなく子どもでもない、かつてのグロクエのマニアック路線を継承するシリーズをご紹介しておこう。ここからは広報氏のコメントだ。

「マニアック路線を突き詰めた末、2011年に誕生したのが、過激な変態プレイで注目された『変態公衆便所タンツボ肉便器女』シリーズですね。オシッコをガブ飲みしなきゃならないので、出演してくださる女優さんが限られるんですよ。最初はOKしていても、いざ詳しく説明されると、みんなイヤって言う」

シリーズの各作品とも、男のオシッコを飲みまくり、公衆便所の便器を舐めたり頭を突っ込んだりと、えぐいプレイの連続だ。しかも知名度のある人気企画単体女優たちがこれをこなすのだから、キャスティングさえできれば、手堅いセールスが期待できるというもの。現に、小倉ゆず主演のシリーズ第2作の発売本数は、数万本を超えているというから驚きだ。


『Anal Device Bondage鉄拘束アナル拷問ⅩⅧ  みひな』(画像提供:グローリークエスト)

「キャスティングの難しさで言えば、2016年8月からリリースを続けている『Anal Device Bondage鉄拘束アナル拷問』も同様です。アナルセックス物はもともと人気がありますし、鉄の拘束具で体の自由を奪ってのアナル攻めという過激路線ですから、当社のアナル作品の代表的なシリーズと言えます。おつきあいのある各モデルプロダクションには、出演できる女優さんがいたらぜひ連絡してほしいと、いつもお願いしています」

最後は、広報氏が個人的に気に入っている自社作品を挙げてもらった。

「3本で完結した『SEX OF THE DEAD 巨乳ゾンビガール』ですね。この企画がプロデューサーから上がってきたとき、待ってましたと膝をたたきましたよ。ゾンビ映画ってお色気シーンが作品の5%くらい入ってますよね。あの部分が90%になるのならきっと売れるはずじゃないですか。特殊メイクのプロを呼んで、時間をかけて女優さんにゾンビメイクを施した渾身の作品だったんですよね……」


『SEX OF THE DEAD 巨乳ゾンビガール3』(画像提供:グローリークエスト)

大盤振る舞いの制作費は業界内でも話題になったが、マニアには大好評ながらも一般には浸透しきれなかった……。。蓮実クレア主演のシリーズ第3作目では広報氏自身もエキストラとして出演しているために、すこぶる思い入れも深いとのこと。ゾンビとエロが好きな方は、同社サイトで販売中の3枚組DVD BOXをチェックだ。

「昔も今も制作費はケチらないという方針は変わっていません。今後も進化し続けるAVメーカーであり続けたいと思います。他社では見られない新企画を毎月のように仕掛けて、長寿シリーズ化を狙っています。どうぞ注目してください!」

Profile

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文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan

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