









無名の企画女優からキャリアを始め、下積み時代の不安や葛藤に腐ることもなく、走り続けてきた加藤あやの。「スカパー!アダルト放送大賞2019」で熟女女優賞を獲得し、苦労の上に大輪の花を咲かせた彼女に、興奮やまない胸の内を聞いた。
「いまだに信じられないです。ノミネートされたときから『まさか、そんな……』みたいな感覚でしたから。私、もともと素●物とか、名前もないエキストラとか、そういうド企画物をずっとやってきたので、そんな私が、スカパー!さんのアワードで声をかけてもらえるなんて……」
「正直、賞レースなんて夢の話で、最初は辞退させていただこうかなと考えてたんですけど……。でも、今回を逃したらもうこんな話は来ないかもしれないから、これはもう受けとくべきだと思い直したんです。それで、『やります!』って(笑)」
「自分が何をするかというよりも、やっぱり、同じ熟女女優部門にノミネートされた女優さんのツイッターとかを見てしまうんですよ。もとからフォローしていたので、どうしても目に入ってしまうだけなんですけど(笑)。明里ともかさんはお尻をアピールした写真をあげてたり、三島奈津子さんはオッパイを強調した写真、森下美緒さんはラグジュアリーな大人の女っぽい写真をあげてて、みなさんそれぞれの強みを出してるんですよ。そういうのを見るたびに、『私、こういうの持ってないよ!』ってへこむばかりでした(笑)。でも、最終的には素の自分を出せばいいやと思って、私服とか、部屋着で撮った写真をあげて投票をお願いしてましたね」
「初めの2週間くらいはつらかったですね。ふだんはあんまりツイッターを更新してなかったくせに、ここぞとばかりに更新するなんて、『なんだよこいつ』って思われないかなと気に病んだり。でも『こういうときこそお願いしなきゃダメ』って励ましてくださるファンがいらっしゃったり、スタッフさんからも、『女優本人がどれだけアピールするかが大事だから』って言われて、なんとか頑張れました……。お願いの定型文にならないように、お願いプラス自分の日常を踏まえて一緒にアピールするといいよってアドバイスされて、それをずっと頭に置いてやってました」
「所属事務所が同じ、ここみんさん(成瀬心美、スカパー!アダルト放送大賞2012女優賞の受賞者)が相談に乗ってくれたんですよ。ツイッターで人が最も目にする時間帯はこの時間だよ、など、いろいろ教わりました。賞レース中のここみんさんは1日3回ツイートするって決めてたと聞き、私はせめて1日に2回はやろうって決めてやってました。私、六本木の『レッドドラゴン』というキャバクラでも働いているので、朝起きられないから1日2回しかツイートできないんですよ(笑)」
「大槻ひびきちゃんも色々アドバイスしてくれた上に、『カトちゃんに獲って欲しいから、私のニコ生で宣伝しなよ』って声をかけてもらいました。波多野波結衣さんもツイキャスに出させてくれて、『私もあやのに獲らせたいから』って……。すごく周りに恵まれたと思いますね」
「授賞式を目指していい体を作ろうと、最低でも週2回のペースでジムに通ってたんですが、授賞式の日が近づくにつれて体型が最悪になってしまったんですよ(笑)。インフルエンザになって1週間家から出られなくなったし、その後は花粉症で動けなくなって、全然ジムに行けなかったです……」
「思いのほか、なごやかでしたね。控え室で、女優同士で『投票期間は大変だったね』とか話したり……。明里ともかさんに『いつもお尻の素敵な写真載せてて、うらやましいわ』って言ったら、『お尻を出したほうが、《いいね》がつくのよ〜』とか、そんな話をしてました(笑)」
「三島奈津子さんとは同じ作品に出たことがあって、共演ではないんですけど、控室が同じで、そこで結構話したことがありますね。。明里ともかさんも1回共演したことがあります。そのときは、もうデビュー作からずっと観てた、あの、明里ともかさんが目の前にいると思ってめちゃくちゃ緊張してたんですけど、話してみたらすごく気さくな方で。森下美緒さんも同じ作品に出たことがあって、控室で挨拶させていただいたことがありました。森下美緒さんは、すぐ私のツイッターをフォローしてくれて、あのときそんなに話もしてなかったのに、ちゃんとフォローしてくださるんだと感激した覚えがありますね」
「たくさんの人からアドバイスをいただいていたんですが、その中で、『壇上に立ったら、自分が名前を呼ばれると思ったほうが良いですよ』って言われたんですよ。だけど、授賞式が始まる前の握手会イベントで、他の女優さんのファンがたくさん来てるのを見てしまって、『今回はもうダメだな……』ってすっかり落ち込んでたんです。だからドラムロールが流れているときには、『得たものがたくさんあったな』『やりきったな』ってプラスの振り返りをしていました。なのに『加藤あやのサン!』って呼ばれたものだから、本当にビックリしてしまいました(笑)。後で大槻ひびきちゃんが撮ってた動画を見せてもらったら、名前を呼ばれたときの私、肩がすごいビクン! ってなってましたね(笑)」
「まず会場内にいた、仲のいい女優さんたち……AIKAちゃんとか大槻ひびきちゃん波多野結衣ちゃん、篠田ゆうちゃんとかとみんなでご飯を食べに行って、お祝いしてもらいました。マネージャーからもLINEですぐに『おめでとう』って来てて。ふだんはそんなこと絶対しない人だから、感動しちゃって。あとは、『あやの』って呼んでたマネージャーが、急に『あやちゃん』って呼んでくるようになったり、いろいろ変化がありました(笑)」
「ほんとに初めは泥沼にいましたからね(笑)。企画女優としてこの仕事を始めて、今の事務所に移籍した後も撮影の仕事が月に1〜2回しかなくて。当時は、AVと並行して普通の仕事もしてたんですけど、体力的にも疲れちゃって、AV一本で頑張ろうと思って昼の仕事を辞めたんです。とは言えAVだけだとまだ収入が厳しいので、『レッドドラゴン』でも働くことにして。だけどAV女優としては有名じゃないから指名もない。それで、とりあえず飲みキャラになろうと思ったんです。たくさん飲んで、先輩に気に入ってもらって席に呼んでもらって、それで場内指名を取ったりとかしてましたね」
「それが1年くらい続いたときに『私、なにやってるんだろう』って思って。お昼の仕事を辞めて、AVを頑張ろうって思ってたのに、なんでこんなにお酒まみれになってるんだって。その頃から、エキストラでもなんでも、ひとつひとつの現場を丁寧にやろうって改めて思ったんです。マネージャーさんからも、『いま売れている●●ちゃんだって、そういう時代があったんだよ』って言われて感心したこともあって、ちゃんとAVの仕事に向き合って頑張ろうって思い直したんです」
「女優としての名前は出してもらえない企画物なんですけど、私がメインになる作品を撮っていただいて、それがたまたまヒットしたんです。ただ、それも名前が出てないので、私の知名度があがったわけでもなく、その作品のテイストをいろんなメーカーさんが真似していくだけで……(笑)」
「たしかに、そのおかげでちょっと仕事は増えたんですけど、逆にそこからが苦悩の日々だったんです。正直、悔しかったのは、私がメインで売れた作品と似たものを他のメーカーさんも撮るわけですけど、そこに私がエキストラとして呼ばれるんですよ。呼んでいただけるだけでもありがたいことなんですが、やっぱりすごい悔しい(笑)。もっともっと頑張らなきゃって我慢してたんですけど、撮影が終わって家に帰ったら泣いてましたね……。ただ、そういった作品の監督さんが私のことを覚えててくれて、別の作品でメイン女優として呼んでくれたり、少しずつファンもついてくれたりとか……ほんとに積み重ねだなって思いますね」
「本当にそうですね。こんなにかわいい女優さんたちがいっぱいいるなかで、あえて私を見つけてくれたのは、なんでなの? って思うこともありますけど、今回ほどファンのみなさんの応援してくれる想いを感じたことはなかったですね。今後はみなさんに恩返しできるように良い作品を作るのはもちろんですけど、イベントとかで少しでもファンの方と接する時間を作れたらいいなって思います」
加藤あやの(かとうあやの)
1983年9月29日生まれ。身長162cm、B90・W61・H93
2014年デビュー。
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撮影/鈴木ゴータ